離婚協議での行政書士の関わり

1.行政書士と離婚協議

一度は夫婦合意の上で協議離婚をしたとしても、養育費や慰謝料の支払いが滞ったり、財産分与や親権について双方の認識齟齬があったりと離婚後にトラブルが発生するケースは珍しくありません。こういったトラブルを防ぐために、協議離婚をする際には離婚協議書を作成しておくことが推奨されます。

離婚協議書は、親権養育費の額や支払期間、面会の有無や慰謝料の額、財産分与の方法など離婚に伴う夫婦間の合意事項を記した契約書のことです。離婚成立前に離婚協議書を作成しておくことで、認識の齟齬や約束の不履行、契約不備を防止することができます。

離婚協議書は本人が作成することも可能ですが、内容に不備があればいざという時に役に立たない書類となりかねません。行政書士は専門的な知識を持つ離婚協議書作成の専門家です。離婚協議書の作成は行政書士に依頼することをおすすめします。

2.行政書士に依頼するメリット
協議離婚を行政書士に依頼することには多くのメリットがあります。

離婚協議書の内容によっては、約束不履行の際でも強制執行を行うには不十分と判断される場合がありますが、行政書士は書類作成の専門家なのでより効力の高い文書を作成することができます。

また、自分自身で作成した離婚協議書にはどうしても漏れが出てしまいます。例えば養育費の支払いに関して言えば、支払い期間を大学卒業までとするが留年した場合はどうするのか、などです。行政書士に依頼することによってこういった細かな点も漏らすことなく離婚協議書に盛り込んでもらうことが可能となります。

いくら離婚協議書が十分な内容だったとしてもそれを正しく公証人に伝えることができなければ、自分たちの意思とは異なる公正証書が作られてしまう場合もあります。行政書士であれば離婚協議書の内容を正しく公証人に伝えることができます。

依頼する場合は当然報酬を支払う必要があります。報酬を支払うぐらいなら自分で離婚協議書を作成した方がいい、と考える方もいるかもしれません。しかし内容が不完全な離婚協議書であったばかりに受け取れるはずだったお金が受け取れなくなってしまったり、意図せぬ契約が結ばれてしまう恐れもあり、結果的に報酬額以上の損失を出してしまうことも考えられます。

行政書士によっては、作成した離婚協議書の内容チェックのみを低価格で請け負っていることもあります。それだけでもすべてを自分自身で作成するよりもより効果的な離婚協議書を作成することができるでしょう。

離婚後のトラブルを最小限にするためにも、協議離婚は行政書士に依頼することをおすすめします。

3.行政書士に浮気相談?
配偶者の浮気に悩み、慰謝料請求をしたいと考えている方は、一度行政書士に相談することをおすすめします。

不倫に対する慰謝料の金額には相場があります。怒りや悲しみに任せて高額な慰謝料を請求したとしても認められないケースも少なくありませんし、場合によっては請求そのものが認められないこともあります。請求内容や金額が妥当なものでなければ交渉に時間がかかるだけで一向に解決に向かいません。また仮に相手からの合意が得られたとしても、その先も合意内容が守られる保証もありません。

行政書士は慰謝料請求を行うための請求内容の検討と請求書の作成、契約不履行時の催促状の作成などを依頼者に代わって行うことができます。より確実に慰謝料請求を行うには、行政書士に依頼するのがいいでしょう。

4.行政書士と弁護士との違い
行政書士と弁護士は扱う問題がよく似ているため混同している人も多いのではないでしょうか。しかし行政書士と弁護士の業務にははっきりとした違いがあります。

弁護士は法律に関わる事務全般を業務内容としていますが、行政書士は法律事務のうち官公署に提出する書類や権利義務、または事実証明に関する書類の作成を対象業務としています。例えば協議離婚に際して離婚協議書を作成する場合、離婚協議書の記載する内容の検討や書類の作成そのものは行政書士が行うことができますが、内容に関して相手との交渉や、調停・裁判の手続きを代行することはできません。交渉や調停・裁判が必要になった場合は弁護士に依頼することになります。

5.行政書士の費用は?
行政書士の業務に対する費用は、個々の行政書士が自由に設定することができます。そのため、同じ依頼内容でも行政書士によって費用に大きな差が出る場合もあります。

日本行政書士会連合会では5年に一度、全国的に行政書士の費用についての統計調査を行っています。平成27年度の調査では、離婚協議書は2万円~6万円未満が最も多いという結果でした。

行政書士を選ぶ際は費用を比較して、できるだけ安く対応してもらえる事務所を選ぶという方法もありますが、行政書士によって得意とする分野が異なる場合もあります。離婚に関わる書類の作成を依頼するのであれば、離婚をはじめとして家事全般を得意とする行政書士を選ぶのがいいでしょう。